撞木足

以前、先生が自分に勝つんだよという話をされていました。
苦しいとき、辛いとき、あー嫌だなぁと思うときもその気持ちを乗り越えて行った先に成長があるというお話でした。
子どもの頃をふと思い返すと、大人になった今では考えられないくらい小さい苦しい、小さい辛い、嫌だ、面倒だなという気持ちがあったことを思い出しました。
小さな世界で生きていた子どもの頃の自分には、とても大きな辛いや苦しいだったのですが、その頃は乗り越えようとも思わず、ただ時が過ぎるのを人任せで待っていたのを記憶しています。

先日の先生の自分に勝つんだよという話をもし子どもの頃に心に響くくらい聴くことができていれば、もう少し自分の人生を早いうちから充実したものとできたかもしれないと思いました。

今、城山剣友会で稽古に励む子どもたちは、経験豊かで礼を重んじる素晴らしい先生方に指導していただいているので、あの頃をもう少し頑張ればよかったと大人になってから気づくのではなく、毎回の稽古の際に先生方がお話してくださることを自分の中でしっかり消化して成長していってくれたら素敵だなと思います。


2月に行われた級審査では、受審したみんなが合格することができました。
低学年から長く先生方にご指導いただいた子からメンバーに加わって間もない子たちまで、みんなが結果を出すことができたのは、先生方がいつも根気よく、また豊富な経験から様々な事を教えてくださることに加え、子どもたちもしっかりそれを受け取って自分のものにしてきたからだと思います。


でも、人の、ましてや子どもの心に残る指導ができるのは何故なのだろうとたまに思っていました。
先生と呼ばれる方は沢山いても、全ての先生の言葉に心揺さぶられるわけではありません。

撞木足。
先生のお一人が、足を壊してしまったんだというお話をされていました。
それは大先生と稽古をされて、自分の剣道の悪いところを直している時に痛めてしまったとのことでした。
撞木足という、お坊さんが鐘をつく際の足の形になってしまうから、それを直しているんだと。
先生方は子どもたちの親世代より上の世代の方々です。
それでもなお、自分に勝つため努力を重ねている姿をみて、子どもたちはその姿から言葉を得て身にしているのではと思います。

自分に勝つために努力を惜しまない先生方が教えてくださるのは本当にありがたく、すごいことだと思います。

今はどれだけ素敵なことかわからなくても、素直な心でこれからも稽古に励んでたくさんのことを吸収していってほしいと思います。

城山剣友会

城山剣友会は相模原市の北部にて40年以上活動しています。剣道を通じて人生を豊かにしたい方、子供達に大切なことを学ばせたい方、稽古時間内であればいつでも見学可能ですので、一度のぞいてみてください。

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